日本総合口腔医療学会に参加してきました。

先日、指導医を務める日本総合口腔医療学会 学術大会に参加してきました。

この学会は、「口腔治療」を合い言葉に歯科医師・医師・獣医師が集う珍しい学会です。回を重ねる毎に、獣医師の参加率が高まりをみせています。

私は、2005年〜2017年 10.043名 19.562本のインプラント関するデータを、協力パートナーである㈱ガイドデント社から提供を受けて、統計学的検討の発表をしてきました。

獣医師の先生からは、犬の歯周病について臨床症状が「くしゃみ」であり、口腔内と鼻が近接していることから生じるモノであるため、口臭とくしゃみを感じたら要注意だそうです。また、小動物口腔外科で開業している先生からは、歯周病から重篤になり顎骨切除をした症例報告等がありました。

そこで熱く語られたのは、来年の教育内容の改訂で期待されていた口腔の授業がまたも外されてしまい、学生時代に全く口腔内について教わらないため獣医師はとても困っていると訴えていました。そのため、卒後に独学で学ぶしか無いそうです。

本来は全身麻酔下で歯石除去を行わなければならない施術を、無麻酔下で歯肉縁上の歯石しか取らない開業医も増えて来ているため、歯周病の根治に至らないケースが増加しているともお話しされました。

人体でも、歯周病菌が全身疾患に大きな影響を与えていると、注目されているにも関わらず獣医師会での対応はかなり後手に回っている印象でした。

ワンちゃん達が可哀想ですね。何とかしてあげたいと、我々歯科医師と獣医師が手を取り合い学ぶ学会を立ち上げたのです。今後も多くの情報を共有して行ければ幸いです。